夫婦写真散歩のススメ

歩く速さで、街の新陳代謝や季節の移り変わりをゆっくり、丁寧に味わってみましょう。

谷中七福神めぐり

この記事の情報を以下のSNSで共有(シェア)するためのボタンです。ご活用ください。

noir5552012-01-04
明けましておめでとうございます。

東日本大震災、台風による水害、

さまざまな自然災害、人災、

国難ともいえる原発事故。


さまざまな艱難辛苦を乗り越え、

まずは新しい年を五体満足、無事迎えられたことを心からの喜びとして、謹んで新年の祝詞を申し上げます。

さて、我が家は今年もまず地元の氏神様に初詣。

そして、恒例、七福神めぐりに出掛けます。

今年は…、

江戸最古「谷中七福神めぐり」


谷中といえば徳川家康、秀忠、家光と三代に仕え、

徳川幕府の朝廷政策、宗教政策を掌った天海僧正が構想し、

築いた上野寛永寺を中心に栄えた門前町、寺町であります。

江戸の陰陽師―天海のランドスケープデザイン

江戸の陰陽師―天海のランドスケープデザイン

七福神めぐりの起源、天海僧正と狩野探幽

上野東叡山の開祖である天海僧正が実は七福神の創設者でもあるのです。

天海僧正に勧められ七福神に目覚めた徳川家康が狩野探幽を呼んで、七福神の絵を画かせ、尊崇したのが起源とされています。

総図解 よくわかる徳川将軍家

総図解 よくわかる徳川将軍家

  • 作者: 「歴史読本」編集部
  • 出版社/メーカー: 新人物往来社
  • 発売日: 2009/08/22
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
  • クリック: 9回
  • この商品を含むブログを見る

この狩野探幽が画いた七福神は全国に瞬く間に広まり、模写、宣伝され、特に宝船に乗った縁起の良い七福神は空前の大ブームを起こします。

絵画、彫刻、陶器、今風にいえば、関連グッズも大ヒット。

狩野探幽 (新潮日本美術文庫)

狩野探幽 (新潮日本美術文庫)

社会の荒波がいかに狂っても、七福の徳を具備すれば、

愉快にこの世を渡り、目的地まで進むことが出来る。


仁王経の七難即滅、七福即生の文に基づき、

人を身分で選ばす救いの手を差し伸べる

七福神のご利益、福徳を授かるため、

正月に七福神に詣でることが庶民の間で盛んになったということです。


そんな縁起を確認して、まずは上野駅を起点として、歩きます。

弁財天(弁才天)上野不忍池、ご利益/愛敬

弁才天

七福神中、唯一の女神。琵琶を奏でる絶世の美女で描かれることが多いようです。

水の流れる妙音から音楽、弁舌を司るとされ、芸能・学問での成功を授けるといわれます。

ここも天海僧正がグランドデザインした場所です。

政界の導者 天海・崇伝 (日本の名僧)

政界の導者 天海・崇伝 (日本の名僧)

徳川家康公のめがね


ここで色紙(1,000円)を購入、ご朱印200円を各所で支払い、谷中七福神巡りで完成させます。

不忍池のゆりかもめ

のどかな昼下がり、ユリカモメも愛らしい。

不忍池から望む東京スカイツリー

谷中七福神マップ(地図)


不忍通りへ出て、東京大学医学部付属病院裏を抜け、境 稲荷神社の銘水をメモしたり、

難が転ずるように南天をメモしたり。

上野護国院 大黒天 ご利益/富財

創造と破壊を司るシヴァの化身、仏法守護の神としてインドより伝来、
のちに日本神話の大国主命と結びつき、福の神として信仰されることになりました。

大黒天


バーチャル参拝をどうぞ。

上野護国院提灯

提灯も立派です。

谷中長安寺 寿老人 ご利益/長寿

寿老人

元気で長生き、杖をついた仙人の姿でおなじみです。

狩野芳崖墓

谷中長安寺は東京藝術大学美術学部の創設に尽力した狩野芳崖さんのお墓もあります。


続いて谷中霊園に入り、天王寺をめざします。

谷中天王寺 毘沙門天 ご利益/威光

いわゆる四天王の一人。古くは武運の神として上杉謙信など武将の信仰を集め、
のちに厄除け、恵方の神として財運、大願成就を授けるといわれるようになりました。


ここは天王寺大仏と呼ばれ、人気を集めるお釈迦様が鎮座。

天王寺大仏

天王寺境内、くちなしの実


広々した境内、ひととき、静かな時間を味わいます。

谷中霊園を抜け、日暮里駅を右下に見ながら、
谷中方向の坂を上がると見えてくるのが

このあたりを歩き回ると、
いつの間にか時の経つのも忘れてしまいそうなので、
今日は富士見坂方向へまっすぐ向います。

富士見坂から望む富士山


霞んでいますが今日は良く見える部類かもしれません。

日暮里修性院 布袋尊 ご利益/大量

日ぐらしの布袋

七福神中、唯一の実在の人物。布袋尊。


日暮里青雲寺 恵比寿 ご利益/正直

唯一の純国産、福の神、恵比寿様。大漁豊作、商売繁盛の福神として、大黒天と対になってグッズ化されることが多いので、目にする機会も増え、親しみの度合いも増します。

恵比寿様


花見寺として江戸時代から愛されてきたこのお寺の境内には
南総里見八犬伝の作者、滝沢馬琴の筆塚もあります。

滝沢馬琴筆塚


芥川龍之介が住み、日々歩いた与楽坂。
この坂を吹き抜ける北風の冷たさに驚きながら、
田端文士村と呼ばれる地区に向って歩きつづけると
こんな案内板に出会います。

田端東覚寺 福禄寿 ご利益/人望

境内の入り口には2体の金剛力士像が建てられ、赤紙仁王尊と呼ばれています。


道教の三徳、福(子孫繁栄)禄(財産)寿(健康長寿)を備え、人の寿命を知るという福禄寿。

東覚寺境内には大日如来が鎮座。


このお寺を参拝の最後にしたのは、東覚寺の裏庭が見事だからです。

こんな笑顔の愛らしい恵比寿天の釣りに興ずる姿も拝めます。

はじめて見た時の感激を損なわないために写真は控えますが、ぜひ訪れてみてください。

びっくりするほど楽しい七福神ワンダーランドと
仏様の教えを庭のなかに表現したさまざまの仏像、地蔵、
そして訪れた人のみが味わえる静謐を楽しみに。

大日如来像

最後に大日如来様を拝んで、

谷中七福神巡り色紙

七福神巡りご朱印色紙も完成です。

谷中七福神巡りといえば、

谷中、千駄木、根津、田端文士村近く、散策するには最高の場所。

歴史探訪、神社仏閣巡り、文学散歩さまざまな楽しみがあります。

早起きしてたっぷり歩きたい場所です。

七福徳をこの身に備え、

素直に明るく楽しい毎日を丁寧に味わいたいと

心から願う2012年初夫婦写真散歩でした。