日本庭園めぐり
新しい町づくりを目指して造成された江戸は徳川幕府270年の泰平の世を謳歌するという世界史上類例のない都市の歴史を刻むことになります。同時代の西欧諸国が戦乱に明け暮れ、近代を迎えることになったことに比べると、二世紀半にも及ぶ平和な歳月は世界史を…
江戸、東京の名園をご紹介するシリーズも早八回目を迎えました。今回は東京23区の地図を俯瞰で眺めていると、緑地の広大さに驚く白金の森を中心にお届けします。前回ご紹介した池田山公園からも近く、港区白金台五丁目に松岡美術館と自然教育園はあります。
池田山公園は池田家の大名庭園として三田用水を引き込んで作られたという池泉回遊式庭園です。複雑な歴史をたどりますが、当時の雰囲気を残しており、手入れの行き届いた佇まいは今や住民の憩いの場となっています。
皇居東御苑にある二の丸庭園。江戸時代に多く造られた回遊式の大名庭園は単に自然の素材を駆使してつくり上げられた造園藝術ではなく、様々な楽しみを味わい、しかもそこで暮らすという近世日本が生んだ「総合芸術」作品ともいえるでしょう。
江戸・東京の名園を歩くシリーズも五回目。今回は江戸時代の造園手法が明治時代に引き継がれ、岩崎彌太郎によって洗練され完成した名石の庭・清澄庭園をご紹介します。
広さ8,000坪にも及ぶ潮入りの池を中心とした大泉水の眺めは潮の干満によって繊細にその表情を変え、園内に造られた二つの鴨場も往時の面影をいまに伝える国指定特別名勝・特別史跡、浜離宮恩賜庭園。
現存する江戸時代に造られた大名庭園、回遊式泉水庭園・旧芝離宮恩賜庭園の秋・写真散歩をお楽しみください。
武蔵野段丘、南縁の「ハケ」と呼ばれる国分寺崖線を利用した回遊式林泉庭園、殿ヶ谷戸庭園。JR国分寺駅から徒歩数分の距離にあり、和洋折衷の庭園の趣きを楽しめる名園です。
東京都内の名庭園を歩く撮る、写真散歩をシリーズでお届けします。第一回は国指定特別名勝、六義園。この柳沢吉保の和歌趣味を基調とした回遊式築山泉水庭園は江戸時代に造られた大名庭園のなかでも代表的なものです。
「日本人のこころのふるさと」と形容されるわが国現存最古の歌集、萬葉集。万葉歌を味わっているとさまざまな気象現象、さらには季節の風や月の姿、また雄大な山河の様子、植物や花の生命・存在といった自然と人間のこころとの距離が近いことが分かります。
小藩ながら岡山県だけにとどまらず、日本における近代化の歴史に深く関わる功績を残し、緒方洪庵をはじめ重要な人物を輩出した備中足守藩、現在の岡山市北区足守にある史跡を訪ねます。
香川県高松市にある池泉回遊式大名庭園、栗林公園。平庭部分の面積は約16万平方メートル。紫雲山のふもとに広がる宏大な庭園は北庭と南庭に分かれ、6つの大池泉と13の築山を調和させた趣きの異なる見事な景観を作り出しています。 まさに一歩一景の美しさ、…
日本三名園の一つ、水戸偕楽園。「民と偕(とも)に楽しむため」の施設という構想があり、同時に飢饉と軍用に備え、非常食とするために梅の木を植えさせたことがその名の由来です。
吉備路を巡る旅、三回目となる今回は江戸時代初期、名君の誉れ高き岡山初代藩主池田光政公、二代藩主池田綱政親子にみる「名君の条件」と日本三名園のひとつ岡山後楽園と隣接する岡山城を中心に話を進めてまいります。
加賀百万石を築いた前田家 江戸時代、徳川政権下で最大の外様大名として、米本位制のなか金沢を百万石を超える豊かな藩に育てた名門前田家。豊臣秀吉政権下で五大老の一人として最も重要な役割を果たした前田利家を祖とし、現在の石川県金沢市に江戸、京都、…
前回までの奈良大和路散歩で、勝手に命名して盛り上がっております「本歌撮り」。初冬の街並みに留まる秋の名残をテーマに、元となる和歌を求めて、萬葉集、古今和歌集、新古今と時代の流れに沿ってじっくり読み込むと、いろいろなイメージが湧くものです。…
「成田屋!」という威勢の良い掛け声、沸き起こる喝采。歌舞伎の屋号、その始まりともいわれる名跡「市川團十郎」の屋号であります。初代市川團十郎の父・堀越重蔵は成田山新勝寺に近い下総国埴生郡幡谷村に住んでいて、新勝寺とは少なからず縁があったとい…
ここは東京都千代田区千代田一丁目一番地、皇居であります。皇居東御苑内では四十七都道府県の「木」が植えられ、解説もついています。長崎県のように複数存在する場合もこのように植樹され紹介されています。出身県を探してみるのも一興かと思います。
夏空は毎日、さまざまな姿を刻一刻と変化させながら、朝な夕なに、夏が好きな人のこころに、多くの記憶を刻んでいることでしょう。 墨東の朝、夏空 朝日が描く雲の虹化粧 夏、青空と雲の記憶 日々の泡もストレスも入道雲と 深く濃い空の青みを眺めることで溶…
広大な敷地を誇る自然教育園には入場制限があり、300人を限度にそれ以上入れないというポリシーもあるそうです。東京森林浴散歩の場所として、混雑もなく、のんびり過ごせます。
文化・文政時代、仙台出身の佐原鞠塢によって開設されました。開設当時、太田南畝をはじめとした文人墨客が数多く常連客として訪れ、作庭にも江戸庶民の趣向をこらしました。その後も、11代将軍家斉公などの賓客ともに、江戸庶民の行楽の場として「春夏秋…
◆浅草三社祭、旧古河庭園、駒込、巣鴨文学散歩 どんなにタイトなスケジュールをこなす毎日でも、週に一度くらいは時間を作って、夫婦で散歩に出掛けよう。 そんな約束を実行する我が夫婦のお散歩日記。 5月17日日曜日。曇りときどき雨。我が家の室内寒暖計は…