夫婦写真散歩のススメ

歩く速さで、街の新陳代謝や季節の移り変わりをゆっくり、丁寧に味わってみましょう。

八ッ場(やんば)ダム工事現場、吾妻峡47,025歩<後編>

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noir5552009-12-03

私がはじめてこの地を訪れ、


吾妻渓谷に足を踏み入れたのは20年前(1989年)


その後、ほぼ10年に一度、


川原湯温泉、吾妻峡を訪れたことになる。


その間、草津へは4回、


吾妻川も車窓の風景として眺めるだけだった。


通過駅のひとつとして…。

川原湯温泉へはこれまで3回の訪問で合計6泊7日。


渓谷美を楽しみながら歩くことが好きで、毎回かなりの距離を歩いた記憶はある。


しかし、八ッ場ダムレポート前編で語ったように、今回のような目的で歩くことはなかった。
これまでは川原湯温泉のお湯と街、吾妻峡が気に入ったから、再訪したのだ。


変わるはずの川原湯温泉の広報看板もこの中途半端な状態では何ともはや、切ない。


温泉街にあった飲食店も多くは廃業、以前入ったことのある商店もなくなっている。


温泉宿も減った。


もちろんまだ頑張っている方々もおられる。


食堂「旬」はメニューも豊富で丁寧な料理が食べられる。もちろん美味しい。
カレーも手作りで野菜を細かく刻んであり風味豊かな一品、ラーメン、お蕎麦など定番もおススメだ。
大型観光地や温泉場にありがちな手抜き料理ではない、安心しておススメできるお店だ。


長期化するこの問題の影響を象徴するようにこの素晴らしい温泉街で食事処も数件を残すのみとなった。
この日、温泉街で昼間営業しているのは「旬」だけだった。


JRの駅や吾妻渓谷まで歩いていけば、あと2件。

駅前に新しく出来ていた清潔な概観のお店「とねりこ」↓

美味しい煮込みうどんやきびめし、野趣溢れる郷土料理や炉辺焼きが食べられ、
風情のある美しい建物が魅力だった「ふるさと」も今年1月閉店されたとのこと。
再開の予定はないという。


スーパー、コンビニ、薬局などは徒歩圏内には見当たらない。


生活再建関連工事は急務だと思う。


メディアも社民党次期党首選の影響で、福島瑞穂党首が「連立離脱」を匂わせ、
来年7月の参院選絡みで普天間の米軍基地移転問題が「政策」から「政局」へ、
などと呑気な報道をしている場合ではない。

群馬の逆襲 日本一“無名“な群馬県の「幸せ力」

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社民党こそ糾弾されるべきだ。キャスティングボードを握ったからといって、調子に乗りすぎだ。
無責任もはなはだしい。政争の具に利用するならとっとと連立離脱しなさい。
あなた方の姿勢、心根こそ未来への障壁だ。
八ッ場ダム

八ッ場ダム

保坂のぶとの現場レポート 八ッ場ダムはなぜ止まらないのか

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今頃急に声をあげる政治家、ジャーナリスト、著名人、上から目線で何を今更言うのか。
この地をロクに歩きもせず、本気で考えていると言えるのか?と正直思う。
民意の代表小渕優子さんには頑張って欲しい。
徹底的な情報開示、正しい議論と民主主義のために。


朝9時過ぎ、気温3℃、吾妻渓谷入り口まで、写真を取りながら歩く。

お福の店は土産物を扱うお店、名物はもなか、一箱購入。
やさしく懐かしい味のする和菓子だ。


吾妻渓谷入り口に到着。

国有林の注意書き、美しい自然を守るマナーはいずこも同じ。

辺り一面、落ち葉、絨毯が敷きつめられているかのよう。

入り口から歩いていると、ほどなく見ることが出来る渓谷美、紅葉、新緑絶好の撮影ポイント。


白糸の滝。

足を止める観光客もチラホラ。普段は人通りも少なく静かな静かな場所。

整備された遊歩道、しかし突っかけサンダルやブーツ、ハイヒールでは歩かない方が良い。
車で訪れ、ちょっと歩いてみるか、なんて勢いで、歩くにはすべりやすく、危険も多い。

冬枯れの光景。

何事も自己責任。

根っこの道、大変すべりやすいのでご用心。

改めて通行の注意を読む。

朽木。

足元注意。

頭上にも気をつけて。新しい散策路を作っています。

よりかかったら、谷底です。

ダム本体工事現場のいま。

見晴台へ。

ダム本体が完成すると、いま歩いている場所は湖底に沈みます。

問題が国税の使途、首都圏を巻き込んだ広域行政に関わるからと言って
地元の方々にとって、普段ここで暮らしていないものが
無責任にダム中止を声高に叫ぶのはにわかに納得などできないだろう。
50年間の議論、調査、検討の歴史から理解し、現地をつぶさに見て歩き、
調査データの解釈もfact filingの原則に従わなければ語る資格なし。


これからの議論は机上の議論だけで結論を出すべきではない。
繰り返すことになるが政争の具やイデオロギーの喧伝、売名行為に利用することは犯罪に等しく、
税金の無駄遣い糾弾を声高に主張したり、環境保護の立場を取ったように見せたり、
自らの運動の資金集めや扇動のために感傷を持ち込んで語るべきではない。



ダム本体工事現場が一望できる見晴らし台に上る。

吾妻川、渓谷美。

まだ残る紅葉。

ダム完成予想図(看板)。


今回の訪問で歩いた47,025歩、歩いてひたすらお話を伺った。


まずは生活再建工事は優先で進めるべきだ。
新しい街作りのアイデアもいま一度集め直したらどうだろう。
これだけ注目を集めたことを上手く利用し、広く公募し、再検討するのはどうだろう。


この街の再生はただダム建設中止を唱えるだけでは意味がない。そこまで問題は複雑になっている。
魅力ある川原湯温泉、活気ある温泉街に再生させる資本とアイディア、
それに必要な人を集め、智恵を集め、先立つものを集めるために。


ダム本体工事はfact filingの再検証を急ぎ、議論を政争の具、政局に利用することは許されない。
この街を愛し、自然を守って暮らす人々のために使われる税金は決して無駄ではない。


税金の無駄など他に山ほどあるではないか、
ここへきて左寄りの環境保護至上主義的強弁、偏向報道など無責任だ。
だったら20年前になぜ反対しない。


そんな思いに駆られた。


最後にJR川原湯温泉駅のホームにある待合に貼ってあったポスター。
なかなかの出来だと思う。言うまでもなくマナーは大切。
議論にも政策決定にもマナーと見識を。