1980年6月21日「哀愁でいと」でデビューから30年。
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数々のヒット曲、バラエティー番組、テレビドラマ、映画と国民的アイドルとして輝きつづけた「トシちゃん」。
SHIBUYA-AXでデビュー曲から最新シングル「Cordially」までの62曲を二日間で歌い切るライブを見た。
ジャニーズ事務所を辞めてからの15年、さまざまな雌伏との時を越え、いままさにエンターテイナーとしての円熟期を迎えていることを体感した。
衰えをまったく知らない鋭いキレと艶のある踊り。
年齢を感じさせない鍛え抜かれた肉体、超一流のアスリートとそれと何ら遜色ない。
日々の節制と努力の賜物であろう。
しかもそれを微塵も感じさせないところが
トップスターの矜持であり、ダンディズムなのだ。
甘い歌声、味のある機知に富んだMC。
支え続けてきたファンの温かい視線と熱いコール。
それに応える凛とした姿勢、時にユーモアを交え、文字通り緩急自在。
舞台演出も細部に至るまで本当に美しい。
正真正銘のエンターテイナーが魅せるステージであった。
「抱きしめてTONIGHT」「ごめんよ、涙」の大ヒット曲ももちろん良いが
「DO-YO」「ジラシテ果実」「Always You」など近年の軽快なポップスも素晴らしい。
ミディアムテンポのバラード「Cordially」も艶のある甘い歌声にポップスとしての完成度の高さも感じた。
自己に対し頑固なまでにストイックで、礼節を重んじ、
照れや恥じらい…そんな男のナイーブな一面も隠さない勇気、矜持。
麗しき「歌謡曲の時代」を駆け抜けてきた大人のエンターテイナーの奥深さに感動した。
直接肌で味わってこそ、分かるステージ。
これは見ずには語れないものだ。
He is a real deal.
清潔感溢れる笑顔、成熟したパフォーマンスを支える日々の献身。
これまでロクに見もせず、今更再評価などとは実におこがましい話だ。
ずっと彼は輝き続けている。
本物の矜持をたっぷり味わった二日間であった。