鬼平犯科帳の舞台を歩く
今回はテレビ時代劇の舞台に選ばれることが多い「本所」界隈。
東京スカイツリーを中心にした街の新陳代謝も活発になってきました。
日々変貌を遂げつつも、江戸時代中期以降の史跡も数多く残るこの町を歩きます。
まずは墨東の桜、ソメイヨシノをちょっと見てから歩いてみましょう。
押上天祖神社
それではまず、スカイツリーの南側に位置し、文字通り御膝元に鎮座する押上、業平=「おしなり」地区の氏神さま、押上天祖神社にご挨拶です。
押上天祖神社は室町時代の延元年間(1336〜1340)より祀られていたと伝えられ、江戸時代には朝日神明宮と称していたといいます。
境内に掲示されている案内を忠実に引用してみますと、
押上天祖神社は、明治5年10月元押上村の村社に列し祭日は9月16日と定められて今日に及んでいる。
その起因するところによれば、古く延元年間より祭ってあった。延元は建武の次で、南朝の忠臣楠正成公が湊川の合戦で戦死し、後醍醐天皇が吉野に行かれた頃で今から六百余年の昔に当る。
当時は押上と云ったかどうか分からないが、大昔は現在の東京の下町は海で、ところどころに島や浮洲があった。
この辺は柳島と云われ早い時代に陸地となり人が住んだところとも伝えられている。其の後、花園天皇時代に神明社と称した。祭神は天照大神と八幡、春日両大神を祭ってある。
また一説には現在の京成橋附近で川が増水して堤防に押上げられてあった御神体を、当時附近の農民等が安置して祭ったとも云われている。
その頃は下総国葛飾郡押上村で、其の後に武蔵国に編入され、明治5年村社に列する事となり、明治11年の記録には、武蔵国葛飾郡押上村之内字居村向耕地、田8畝18歩、この代金16円80銭、同村天祖神社、同所畑25歩、この代金2円50銭と云う文献が残っている。
天祖神社は、呼名を朝日神明宮と云われた時代があったそうですが、其の時代は神仏の混交時代で、徳正寺と云う寺が管理していたのが、明治5年に行われた神仏分離により、神官のいない為か牛島神社の区域であり、本社は牛島神社で、押上天祖神社は其の末社と云う事になっている。
又大正10年に大祭が行われ、同12年の関東大震災で社殿を焼失した。
天祖神社はこの頃迄は平河橋4丁目地域にあったのが、後、昭和3年の区画整理で、現在地(業平2の13の13)に替地になったのである。境内は272坪5合5勺、大空襲で焼失後社殿も再築されたが、昭和20年3月の戦災で、又も焼失した。
そして昭和27年度大祭の折、再び新築し、続いて昭和32年の大祭には鳥居が再建され、又玉垣、塀、水屋等も出来、神社としての形態がととのったのであります。尚、終戦後の宗教法人法による神社許可となっている。
昭和37年境内には社務所、会館を設立すると共に、従前の6ヶ町の外に新たに旧業平橋1丁目と、旧向島押上町が加わり、8ヶ町の神社となっている。
現在の大神輿は明治21年5月5日に新調されたもので、今までに関東大震災と戦災で二度に渡る災害にあったが、現在の神輿庫が奇蹟的に焼失をまぬかれたので大神輿も当時のままの荘厳華麗な姿を残して居ります。
とあります。
江戸時代、安政年間の古地図を見ると、このあたりは押上村、柳島村とも呼ばれ、明暦の大火以降移転してきた寺も多く、河川、掘割りといった水路によってキレイに区画されていた場所です。
春慶寺
現在の墨田区業平二丁目には、江戸時代「押上の普賢」と呼ばれた春慶寺があります。ご本尊の普賢菩薩は1,400年ほど前に百済から渡来したものと言われています。
春慶寺縁起
新編武蔵風土記稿による春慶寺の縁起によると、
春慶寺
同宗同末(法華宗、甲斐国身延久遠寺末)長養山と号す。本尊三寶を安す。開山真如院日理、元和元年起立し、同七年八月六日寂す。当寺は浅草森田町にありしを、寛文7年ここへ移せり。
普賢堂。長2寸8分の像にして百済国聖明王霊夢を蒙り自ら模像せし所なりと。
推古天皇10年に百済国観勒法師、此像を携て来朝し、其後聖徳太子に附属し、又大覚大僧正此像を感得し、三菩薩の郷を勅許を蒙りしかば、開運の普賢と号す。
後水尾の皇女林丘寺身や光子内親王深く信じ給ひ自ら金粉を以て彩色し給ふ、中古下総国古河の城下に安置ありしが、寛保年間故有て当寺に移し安すと云ふ。
元和元年(1615)浅草森田町に起立した日蓮宗の寺で、開山は真如院日理上人とされています。その後、寛文七年(1667)現在地に移転し、「押上の普賢様」といわれたとのことです。近くの法性寺末です。
現在は浅草通り沿いに立つ近代的なビルになっています。
『東海道四谷怪談』の作者として有名な四世鶴屋南北のお墓もあり、江戸歌舞伎の人気演目であることから、石碑には歌舞伎役者の錚々たる名前が刻まれています。東京スカイツリーからも徒歩数分の距離にありますので、ちょっと寄ってみてはいかがでしょう。
またこの春慶寺は池波正太郎先生の名作『鬼平犯科帳』にも長谷川平蔵の親友・岸井左馬之助の寄宿先としてたびたび登場します。
池波正太郎著「鬼平犯科帳」
『鬼平犯科帳』第一巻「本所・桜屋敷」、第八巻「明神の次郎吉」の舞台です。
その縁で「岸井左馬之助の寄宿之寺」という石碑が鶴屋南北のお墓の横に立てられています。またこの石碑の題字は俳優の江守徹さんの筆によるものです。
「明神の次郎吉」(文春文庫第八巻所収)という作品は春慶寺を舞台としており、当時の押上近辺の様子が生き生きと描かれています。
「鬼平犯科帳」文春文庫第八巻「明神の次郎吉」より引用
春慶寺を出て、横川沿いの道を南へ行くと、川べりの草むらに、蛍が飛んでいるのが見えた。夏の夜である。町家の灯りも消えていず、まだ子どもたちの遊ぶ声がきこえた。
テレビ時代劇の傑作「鬼平犯科帳」シリーズといえば、四つ花菱の家紋でお馴染みの高麗屋、八代目松本幸四郎(初代松本白鸚)・二代目中村吉右衛門親子二代で長谷川平蔵役を演じたことでも有名です。二代目中村吉右衛門さんの鬼平は私も大ファンです。
長谷川平蔵役はいろいろな方が演じておられますが、9シリーズ138作品で重厚かつしなやかな演技で私たちを魅了してくれる二代目中村吉右衛門さん主演の「鬼平犯科帳」は脇を固める俳優陣の名演、優れた脚本、演出と相まって、時代劇の金字塔ともいえる作品です。
契約世帯数800万突破!頑張れ!時代劇専門チャンネル
2019年下半期には4kデジタルリマスター作業も完了し、より高精細、高品質になった全作品を時代劇専門チャンネルで堪能できます。鬼平犯科帳ファンにたまらない一挙放送です。
いまや契約世帯数800万を超え、有料多チャンネルのなかでもっとも多くの顧客を獲得している時代劇専門チャンネル。
テレビ離れが進んでいるという巷間伝わることもありますが、日本全国5,800万7,536世帯(平成30年1月1日現在/総務省統計局)の約96%の家庭にテレビは存在し、コンテンツ消費の市場において、多様化、クラスタ化し続ける消費スタイルという現実のなかにあっても、時代劇専門チャンネルでは近年オリジナル作品も続々制作し、時代劇ファンに生活シーンでこころのうるおいとしての娯楽を提供してくれる本当に有難い存在です。
鬼平といえば、墨田区によるこんな高札も立っています。墨田区の至るところにこんな幟がありますので、散策の際に気を付けてみてください。
春慶寺から歩いて十分ほどの距離には、「鬼平犯科帳」の舞台にもなり、さらには柴田錬三郎著『眠狂四郎』、藤沢周平著「竹光始末」と「孤剣 用心棒日月抄」の舞台となった名刹・法恩寺があります。
法恩寺(墨田区太平1-26-16)
法恩寺の歴史と境内散策
法恩寺は長禄二年(1458)太田道灌が江戸城築城にあたり丑寅の方に城内鎮護の祈願所として本住院を建立したことがはじまりで、太田資高の代に法恩寺と改称したといいます。
徳川家康の江戸入府により、神田柳原、谷中清水町にと移され、元禄八年(1695)当地へ移転したといいます。
墨田区太平という地名の由来
現住所の墨田区太平という地名は太田道灌と平河山法恩寺、それぞれの頭文字から名づけられています。
江戸時代には、谷中宗林寺、浅草幸龍寺とともに京本国寺末触頭を勤め塔中二十ヵ寺、末寺十一ヵ寺を擁する大寺であったそうです。参道沿いにある、陽運院、千栄院、善行院、法泉院は法恩寺の子院です。
それではバーチャル参拝をどうぞ。南無妙法蓮華経。
鬼平犯科帳「尻毛の長右衛門」
鬼平犯科帳の舞台となったことも、境内の掲示で確認することができます。
我が家は時代劇専門チャンネルを契約してみるようになって、早18年(2019年現在)。
それまでの時代劇好きに勢いが付き、出張中を除けば、どんなに忙しくても家に帰れば、寝る時間を惜しんで毎日時代劇を一本は見てしまう(苦笑)ようになりました。
そこでこんなお遊びをひとつ。
極私的テレビ時代劇番付(随時更新:最終更新2019年12月6日)
テレビドラマ時代劇を勝手に番付表に見立ててみました。
ただしNHK大河ドラマを除いております。これはまた別の機会に。
御用とお急ぎでない方はお付き合いくださいませ。
ちなみに連続テレビドラマ時代劇としてのレギュラー放送がもっとも多かったのは昭和49年(1974)で何と年間30作品。
1970年から1980年代前半にかけてはテレビ時代劇黄金時代ともいえるでしょう。
歴代高視聴率ランキングでもこの時期の作品でTOP10すべてが占められています。
西 | 番付 | 東 |
水戸黄門 | 横綱 | 大岡越前 |
暴れん坊将軍 | 大関 | 鬼平犯科帳 |
必殺仕事人 | 関脇 | 剣客商売 |
夜桜お染 | 小結 | 遠山の金さん |
御家人斬九郎 | 前頭(1) | 長七郎江戸日記 |
仕掛人・藤枝梅安 | 前頭(2) | 銭形平次(大川橋蔵) |
雲霧仁左衛門(中井貴一) | 前頭(3) | 桃太郎侍 |
江戸を斬る | 前頭(4) | 隠密奉行朝比奈 |
新五捕物帳 | 前頭(5) | 伝七捕物帳 |
破れ傘刀舟 悪人狩り | 前頭(6) | 鞍馬天狗 |
蝉しぐれ(内野聖陽) | 前頭(7) | 三匹が斬る |
大江戸捜査網 | 前頭(8) | 素浪人 花山大吉 |
新十郎捕物帖・快刀乱麻 | 前頭(9) | ふたがしら |
八百八町夢日記 | 前頭(10) | 八州廻り桑山十兵衛 捕物控ぶらり旅 |
天下堂々 | 前頭(11) | そば屋梅吉捕物帳 |
御宿かわせみ | 前頭(12) | 陽炎の辻〜居眠り磐音 江戸双紙〜 |
よろずや平四郎活人剣 | 前頭(13) | 腕におぼえあり |
大岡越前
何と言っても全15部・402話+スペシャル1本、一貫して主役を演じた加藤剛さんに敬意を表して、東の正横綱に。
現在時代劇専門チャンネルにて全シリーズ連続放送中。HDDやブルーレイに録画して、深夜・早朝に見ております。
第四部は特にクオリティが高く、レギュラー俳優陣も、四シーズン目を迎え、もっとも脂がのってきた感じがします。
THE二枚目俳優・若き日の竹脇無我さん、そして宇都宮雅代さんのこれ以上はないというほどの品の良さとお武家さまの御内儀とはかくあるべしという清潔感溢れる美しさにはうっとりします。
脇を固める名優片岡千恵蔵さん、大坂志郎さん、松山英太郎さん、高橋元太郎さん、志村喬さん、そして徳川吉宗役の山口崇さん、加藤治子さんの好演、そして初々しさ溢れる三浦友和さんの姿も魅力的です。
昭和の麗しき映像文化として、長く後世に伝えていって欲しい作品群です。
水戸黄門
国民的時代劇とはまさにこの作品のためにある言葉といっても良いでしょう。
水戸黄門(=徳川光圀)役も東野英治郎、西村晃、佐野浅夫、石坂浩二、里見浩太朗と引き継がれ、42年間全1,227回、世界のテレビ史においても類を見ないロングランを記録しています。
日本のテレビドラマ時代劇部門歴代最高視聴率は1979年2月5日放送の第九部第27話で記録した43.7%。
シリーズの平均最高視聴率は、1979年8月から1980年2月まで放送された第10部の37.8%(ビデオリサーチ調べ)。
私の一番好きなシリーズは第18部。西村黄門時代で、佐々木助三郎(あおい輝彦)、渥美格之進(伊吹吾郎)、かげろうお銀(由美かおる)、うっかり八兵衛(高橋元太郎)、風車の弥七(中谷一郎)、前シリーズから登場した柘植の飛猿(野村将希)と最も私好みのキャストで、「この紋所が目に入らぬかぁ」と印籠を出すシーンが20時45分頃に固定されたのもこのシリーズからです。
暴れん坊将軍
徳川家八代将軍にして「米将軍」とも呼ばれた徳川吉宗を「暴れん坊将軍」にしてしまった史実とあまりにもかけ離れている設定とはいえ、それはご愛敬といってしまいたくなるくらい時代劇の傑作です。
徳川吉宗役を演じた稀代の名優松平健さんを主演に、シリーズ12作と最終回スペシャルさらには復活スペシャル、2008年末のスペシャルの3本を合わせた放映回数は計832回と、同じ俳優が演じた単一ドラマとしては大川橋蔵さんの『銭形平次』888回に次ぐ長寿番組であります。
立ち居振る舞い、なにげない所作の美しさ、殺陣においては無駄な動きの無い華麗な太刀さばき、劇中歌の美しく味のある歌唱、文字通りスーパーヒーローにふさわしい名優の仕事だからこそ832回の超ロングラン作品となったのでしょう。私もマツケンさんの大大大ファンです。
そして日本歌謡史のみならず日本音楽史に燦然と輝く世界的天才歌手!北島三郎さん。私の知己でイタリア人オペラ歌手、ドイツ人歌手も北島さんの歌唱を絶賛しております。その影響もあってかどれほど褒めちぎっても決して大げさではないと常日頃考えている北島三郎さん演じる「め組の辰五郎」というキャラクターと北島さんの人間力が随所に見える名演技も何でも楽しめるのではないかと思うのです。
またシリーズのナレーターを一貫して務めた若山弦蔵さんの美しく聴きやすい声、大岡越前役の横内正さん、田村亮さんの安定した演技、後に高島礼子さんの芸能界デビュー作品として注目されたお庭番役では五代高之さんと入江まゆ子さんのコンビ時代が一番美しく輝いていたと思います。
勧善懲悪の痛快活劇の大傑作シリーズ、見終わったあとのスキッとする爽快感は格別です。
剣客商売
原作は文句なしに面白く、素晴らしいのですが、テレビドラマではフジテレビと松竹の合作となった全五シリーズ(47話)+スペシャル六作品が最高です。
映像・音楽の美しさ、秋山小兵衛役を藤田まことさん、おはる役の小林綾子さん、秋山大治郎役が渡部篤郎さん、佐々木三冬役を大路恵美さんという配役が最も私の好みです。
特に大路恵美さん、殺陣・日舞をしっかり学んだ基礎があるので、所作も初々しさと美しさがあって、三冬のイメージにピッタリではないかと思っております。
必殺仕事人
必殺シリーズは中村主水(藤田まこと)主役の作品と非主水系というような分類のされ方をします。
私は結局、藤田まことさんの大ファンだったのだということが最近しみじみと、そして確実に自覚するようになりました。
第一シリーズだけでも全84話が制作された「必殺仕事人」、シリーズ合計もレギュラー放送分だけで全355話。
なかでも最高傑作はシリーズIVではないかと思います。
光と影のコントラスト、斬新なサブタイトルの付け方、菅井きんさんと白木万理さんのコンビでみせる婿いびりの何ともいえぬ温もり(苦笑)。
今風にいえば、エッジの効いた人物造形=キャラクターが揃う俳優陣。特に勇次役の中条きよしさんの演技には、まいりました。最高です。
御家人斬九郎
柴田錬三郎の時代小説「御家人斬九郎」、昭和51年(1976)に講談社から単行本が刊行されました。現在は新潮社から発売されている短編を収録した文庫がテレビ時代劇の原作となっています。
平成七年(1995)から平成14年(2002)まで五シリーズ(全50話)がフジテレビ・映像京都によってドラマ化されましたが、柴田錬三郎原作としては新潮文庫に収録されている10篇からなる短編と後に文藝春秋社発行の「オール讀物」に連載された五編のみであったため、脚本家金子成人氏の手によるオリジナルも数多く生まれています。江戸幕府11代将軍・徳川家斉の治世(1787〜1837年)がこの時代劇の舞台であり、本所割下水生まれで大給松平家に名を連ねる名門の家柄ながら、無役・三十俵三人扶持の御家人である松平残九郎家正(通称・斬九郎)が、武士の副業が禁止されていた時代に「かたてわざ」と称する武士の副業によって活躍する物語です。主演の渡辺謙さんは「斬九郎」役に見事なまでにはまり、この人以外には斬九郎はありえないのではないかと思えるほどです。
食道楽の母親役、岸田今日子さん扮する松平麻佐女が訪れる江戸グルメの名店や食に関する貪欲さ(苦笑)、息子・斬九郎との軽妙なやり取りは、典型的な勧善懲悪ではない、時には救いのない結末にあっても、一服の清涼剤となっています。
益岡徹さん演じる「西尾伝三郎」と女房「西尾りく」を演じた唐沢潤さんの演技もなんともいえない深みがあって素晴らしい。
そして「芸は売っても身は売らぬ」辰巳芸者・蔦吉を演じた若村麻由美さんの魅力的なことといったら、彼女以外にはありえないと思える見事な演技で日本時代劇史上屈指の魅力的なキャラクターを演じています。さすが無名塾出身の名女優、若村麻由美さん最高です。
辰巳芸者といえば、男装をまねて宴席で羽織を着たので、羽織芸者ともよばれ、意気と侠気を売り物にして、江戸の華でもありました。
主なレギュラー・キャストは
- 松平残九郎(通称・斬九郎):渡辺謙
- 松平麻佐女:岸田今日子
- 蔦吉:若村麻由美
- 西尾伝三郎:益岡徹
- 西尾りく:唐沢潤
- おえん:奈月ひろ子
- お光:奥田小百合
- 喜助:牧冬吉
- よね:松村康世
- おもん:長野いずみ
- りよ:日下由美
- 梅吉:大橋一三
毎回多彩なゲストも魅力的でした。平成時代劇の金字塔と評しても過言ではないでしょう。
夜桜お染
平成時代劇の最高傑作はこれではないかと極私的に思う作品がコレです!
時代劇の名プロデューサー、能村庸一氏、名脚本家、金子成人氏、入魂のテレビ時代劇。
このテレビ時代劇では若村麻由美という名女優の魅力を最大限引き出した演出とそれに見事に応えた演技にあると思います。
毎回楽しませてくれた衣装の七変化と着こなしで、帯の結い方では「お染結び」、髷の結い方では「お染結い」といったオリジナルが生まれたほど。
また若村さんが劇中で見せる華麗な立ち回りや七変化、さらには笛、三味線、江戸太神楽を次々と披露し、特に日舞で見せた上品な色気と所作に、ワタクシ完全に心の臓まで打ちのめされました。
制作陣が名女優・若村麻由美さんに惚れて惚れぬいて作られた時代劇ともいえるでしょう。
脇を固める俳優陣も味わい深い演技で応えた、本格志向の娯楽時代劇、何度見ても飽きないのです。
加えてアコーディオン奏者として知られるcobaの斬新な音楽も実に素晴らしい。
キャスト(レギュラー)は
- 夜桜お染…若村麻由美
- 石室新十郎…内藤剛志
- 疾風の音次…片岡愛之助
- 甚六…火野正平
- おたつ…平淑恵
- 伊三郎…遠藤憲一
- 吉川帯刀…古谷一行
- 笹原弥兵…山崎銀之丞
- 文次…井手らっきょ
- おろく…南條瑞江
- 岩間助右衛門…伊藤高
- 半田彦四郎…益岡徹
ゲストも松平健さんをはじめ、國村隼さん、石橋蓮司さん、本田博太郎さん、林与一さんなど毎回豪華。これも楽しみのひとつです。
それにしても10年後の夜桜お染、2時間スペシャルで制作して欲しいなぁ、続編、後日談が猛烈に観たい作品のNo.1です。
なんて調子に乗り過ぎて(苦笑)語っていると、止まらなくなりそうなので、本日はこのあたりで。
いずれこっそり他の作品の魅力を加筆しているかもしれませんが(笑)。
それではまた。