葛飾柴又の花火大会や隅田川花火大会とゲリラ豪雨、激しい雷雨で中止が相次いだ今年のお江戸、東都の花火。
東日本大震災前の2009年には139万人の人出によって、観客動員数日本一と認定された江戸川花火大会2013は8月3日(土)無事行われました。
東京は住宅も密集しているため、広大な土地や海岸で打ち上げられるような派手な大玉は無理ですが、様々な趣向がこらされた華やかで珍しい花火、新作花火も披露される江戸川河川敷。
今年は会場から少し離れ、墨東から望遠レンズで、夜空に輝く14,000発を狙ってみました。
本日のBGM PART1
まずは名盤、名演の誉れ高き一曲から。
Bill Evans「Waltz for Debby」
昭和51年(1979)、全国に広まった花火大会ブームのなか、江戸川の河川敷でも花火大会が催されるようになりました。
宗家鍵屋の歴史
株式会社宗家鍵屋さんのHPには江戸川花火大会を引き受けた経緯や江戸の花火に関する歴史が分かりやすく記載されています。
古川柳に「花火屋は何れも稲荷の氏子なり」という一句があります。これは鍵屋の守護神であるお稲荷さんの狐が、一方は鍵をくわえ、一方は玉をくわえていたところから、この鍵をとって創業の際に屋号にしたことを詠んだもので、当時花火屋といえば鍵屋を指していたことがわかります。
鍵屋の七代目が番頭の清七にのれん分けする際、玉屋の屋号を与えたのも、もう一方のお稲荷さんがくわえていた玉にあやかるようにとの意図でした。それ以降、両国の川開きでは鍵屋、玉屋が川の上下に船を出して競演し、「鍵屋あー」「玉屋あー」と江戸の人々に声をかけられました。しかし、玉屋は不慮の失火により江戸所払いとなり、鍵屋は現在に至っています。
宗家鍵屋15代目「天野安喜子」さん
宗家花火鍵屋女性初の15代目を襲名した天野さんはなんと高校、大学時代は日本女子柔道界48kg以下級の逸材として、福岡国際女子柔道選手権大会銅メダルをはじめ、輝かしい経歴を持つ女子柔道家でもあり、日本女性初となる北京オリンピック柔道競技審判員も務めました。
打ち上げ花火は総合芸術と考える彼女は、日本大学で「芸術学博士号」を取得して、自然を舞台にした総合芸術家としての花火イベントを演出している多才さにも驚かされる15代目です。
江戸川花火大会2013写真ギャラリー
江戸川河川敷の夜空を彩る花火の数々、ゆっくりお楽しみください。
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ひたすら撮影に没頭しました。
今日の一句
富安風生(1885〜1979)
世界大百科事典 第2版の解説「出典:株式会社日立ソリューションズ」
1922年水原秋桜子らと東大俳句会を復興し,高浜虚子に師事した富安風生。1928年主宰誌《若葉》を創刊、1933年第1句集《草の花》を上梓し,《ホトトギス》の俳人としての地位を確立した。句風は求道的な傾向をとらず,人生や社会に余裕派的な立場で臨み,平明温雅の中に俳句的なひねりを利かした軽妙な自在さがあり,親しみやすい。
遠花火寂寥水のごとくなり
本日のBGM PART2
スイスの音楽家で、エレクトリック・ハープをはじめとするニューエイジミュージックを代表する演奏者としても有名なAndreas Vollenweiderのデビューは1979年、江戸川花火大会と同じ年のことでした。
私の30年来愛聴している音楽家の曲を本日の締めに。それでは盛夏、暑さ厳しき折、皆様におかれましてはくれぐれも御身大切にご自愛くださいませ。