荒川土手を歩く
風薫る五月。初夏を感じさせる陽射しとひんやりとした乾いた東風。朝晩は少し寒いくらいで、五月の墨東はさわやかな気候が続いています。
定点観測しながら、写真を撮り、整理していると、2013年の花暦は10日程度早く進んでいることがよく分かります。
史跡、公園、神社仏閣、植物園をはじめ、路地をひとつ入ると、下町では家々で育てられている鉢植えが所狭しと置かれ、花壇も大切にされています。
江戸時代、利根川の東遷、荒川の西遷事業
利根川の東遷と荒川の西遷事業が成功していなかったとしたら、東京の風景はさぞや殺伐としたものになっていたでしょう。
徳川家康は江戸入府後、すでにあった河川の付け替えをすることで、洪水や灌漑などの治水事業を進めるとともに、船による物資輸送の体系も整備しました。この河川の付け替え事業は「利根川の東遷、荒川の西遷」と呼ばれています。
以後、長い時間を掛け、年々荒川土手周辺の環境も整備され、お散歩に、自転車でポタするにもとても清々しく心地よい場所になってきました。
今日はそんな荒川周辺の散歩とまいりましょう。
西新井大師
花が大切に育てられている東都の古刹といえば、何度も訪ねた関東三大師のひとつ、西新井大師。
東京メトロとの相互乗り入れで便利な東武スカイツリーラインに乗れば、アクセスもスムーズ。
今回は東武牛田駅からひょいと電車に乗り、大師線という西新井駅からわずか一駅、区間1kmを結ぶ参拝専用の電車に乗ってみました。
駅に着くと寺社を拝見する際は正面からの鉄則に従い、環七通りへと回り込み、参道を歩き、立派な山門から境内に向かいます。
西新井大師境内
平安時代、鎌倉時代から伝わる寺宝は国宝や重要文化財に指定され、江戸時代には「お大師さま」と江戸庶民からも愛され、信仰と尊崇を集めてきた由緒あるお寺です。
西新井大師(五智山遍照院總持寺)の歴史
五智山遍照院總持寺の歴史を遡ってみると、空海(弘法大師)が関東巡錫の途中、このあたりを通った際に、悪疫流行に悩み苦しむ人々たちから相談を受けます。
空海はその人たちを救うために本尊である十一面観音像を彫り、天長3年(826)に寺院を建立したことがはじまりです。そこで空海が悪疫退散のため、二十一日間祈祷を行ったところ、枯れ井戸から清らかな水が湧き出し、地元の人々は救われたと寺伝にあります。
空海が建立したお堂の西にその井戸があったことから「西新井」の地名が起こります。
中世にはこのあたりは「渕江郷」と呼ばれ、戦国の世では小田原北条氏の家臣によって治められていました。
室町時代には三度も火災に遭いましたが、本尊は無事だったため「火伏の大師」と呼ばれ、江戸時代に入ると、お寺も徳川家康から学問所として認められ、所化衆と呼ばれる学僧を有した学識有力寺院としても発展します。
そして、周辺は新田開発が盛んに行われ、江戸中期には祈願寺、参詣寺として、縁日をはじめ、さまざまな行事も年間を通じて盛んに行われ、本堂も十四間四方の総檜造と立派になり、栄えたといわれています。
田山花袋著「東京と近郊」
明治、大正、昭和初期を生きた作家・田山花袋によると「参詣客が非常に雑踏して、門前殆ど立錐の余地がないほどである」と彼の著作「東京と近郊」のなかでその繁栄ぶりを語っています。
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東京近郊 一日の行楽 明治大正ものセレクション (現代教養文庫ライブラリー)
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足立区都市農業公園
この日は一気に西へ、足立区都市農業公園に向かいました。
モッコウバラのアーチが清々しく、来園者を迎えてくれます。
足立区都市農業公園公式サイト
足立区都市農業公園の入園料は無料です。
都市農業公園は「自然と遊ぶ、自然に学ぶ、自然と共に生きる」をテーマに、春は五色桜やチューリップ、秋にはコスモスなどの四季折々の花を楽しむことができます。自然とふれあう機会として水田や畑を利用した農業体験教室を実施し、ハーブ教室や植物に関する講習会、人と自然の共生館では、身近な自然や生き物について楽しみながら学ぶことができます。
主な施設として、都市農業交流館、人と自然の共生館(温室棟)、工房棟、レストハウス「みはらし茶屋」、古民家、長屋門、江北の五色桜資料展示室、昔の農機具展示室、ボランティアルーム、遊具広場、駐車場、河川敷花壇、芝生広場、畑、田、梅林、ハーブ園等があります。
- 作者: 美しい国づくりRLA展記念出版編集委員会
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荒川土手夕景
埼玉県川口市との境からひたすら荒川土手を南へ歩きます。
ベンチで一休みしているときに野鳥をメモ。
日も傾き、早歩き、お散歩というよりトレーニングの様相(苦笑)。
扇大橋
このあと、扇大橋を渡り、
一気に北千住を抜け、京成関屋駅へ。
この時点で37,000歩を越え、電車に乗って帰宅。
ちなみに西新井大師のお土産は定番のこれ↓でした。
今週のお題「2013年のゴールデンウィーク」第ニ弾は総歩行距離たっぷり30kmの一日となりました。
本日のBGM
中村由利子「Fly to a heavenly world」
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