今週のお題「2012年、夏の思い出」と聞いて、静かに記憶を掘り起こす、
そんな穏やかな時間、夜のひとときって良いものですね。
一昨年(2010年)は記録的な猛暑で街中から蝉の鳴き声が消え、
街路樹や花壇の園芸品種の花々が枯れたこと。
昨年(2011年)は東日本大震災に揺れ、
夏の風物詩、花火大会や夏祭りのお囃子が消え、
家具などに施す余震対策、進まぬ復興に焦れたことを思い出し、
そして2012年、夏。東京は記録的少雨とはいえ、
夏らしい夏が戻ってきたことに喜びを感じます。
夏の青空を眺め、雲の勢い、自然の力を感じるひとときや
ひと夏に4,500回開催される日本の花火大会。
復活した東京の花火大会の記録をまとめるこころ静かな時間。
そして、緑陰を求め、東京の森を歩き、ふたたび仰ぎ見る空。
今回の夫婦写真散歩は34℃を超える猛烈な残暑の日曜日、午後静かな目黒通りを歩きます。
夏祭りの提灯が風に揺れ、アブラゼミとミンミンゼミの声が遠く響く昼下がり。
目指すは2万坪の広大な「しろかねの森」こと、開園50周年を迎えた…
自然教育園沿革
自然教育園を含む白金台地は、洪積世(20〜50万年前)海食によって作られました。
いつ頃から人が住み着いたかは不明ですが、園内から縄文中期(約2,500年前)の土器や貝塚が発見されていることから、この時代には人々が住んでいたと考えられます。
平安時代には目黒川、渋谷川の低湿地では水田が開墾され、台地の広々とした原野には染料として欠かせなかったムラサキの栽培も広範囲に行われていたと考えられています。室町時代に入ると、この地方にいた豪族がこの地に館を構え、今に残る土塁は当時の遺跡の一部と考えられています。この館の主が誰かは不明ですが、白金の地名は永禄2年(1559)の記録に初めてあらわれ、太田道灌のひ孫の新六郎がこの地を治めていたことが記録されています。また、いわゆる「白金長者」であったという言い伝えも残っています。
江戸時代になると、増上寺の管理下に入りましたが、寛文4年(1664)には、徳川光圀の兄にあたる高松藩主松平讃岐守頼重の下屋敷となり、園内にある物語の松やおろちの松などの老木は、当時の庭園の名残であろうと思われます。
明治時代には火薬庫となり、海軍省・陸軍省の管理となり、大正6年(1917)宮内省帝室林野局の所管となり、白金御料地と呼ばれました。
その後、昭和24年文部省の所管となり、「天然記念物及び史跡」に指定され、国立自然教育園として広く一般に公開され、昭和37年国立科学博物館附属自然教育園として現在に至っています。
大蛇の松
午後4時前に入園したので、ぐっと西に傾いた木漏れ日を浴びながら歩きます。
十分に水分補給をしないと、
熱中症になりそうな歩数になってきましたが、
都会の森の充実ぶりに、ついつい今日も1万7千歩越え…
東京の森林浴の代表格はやはりここ自然教育園。
木漏れ日、蜩の長く響く声をたっぷり浴びる午後、
2012年我が家の夏の思い出の一コマになりました。
国立科学博物館付属自然教育園ホームページ
自然教育園バーチャルガーデン
http://www.kahaku.go.jp/exhibitions/vm/sizenen/index.html
真夏の散歩は何かと大変ですので、ここはバーチャルウォーク、インターネット図鑑、おもしろ自然教室などのコンテンツが充実している見応え充分のサイトというのはいかがでしょうか。自然に対する深い造詣と愛情がこのような分かりやすく、ユーザービリティ溢れるウェブコンテンツを作り上げたのではないかと感服します。独立行政法人の作る広報、宣伝のサイトとして、群を抜いて優れていると思います。いろいろ独法のサイトも拝見しましたが、ここがNo.1でしょう。鳥、植物、昆虫なども季節ごとに整理され、ほんとうに素晴らしい。ぜひ一度ゆっくりご覧ください。
本日のBGM
村松健 アルバム「夏のぽけっとに」にから名曲「夏のぽけっとに」。
どの季節に聞いても、美しいピアノの旋律に酔えます。リリカルなピアノをゆっくりお楽しみください。
Ken Muramatsu - Natsu no Pocket ni / 村松健「夏のぽけっとに」
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