夫婦写真散歩のススメ

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津本陽著「異形の将軍―田中角栄の生涯(上)・(下)」幻冬舎

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noir5552009-08-14

異形の将軍―田中角栄の生涯〈上〉 (幻冬舎文庫)

異形の将軍―田中角栄の生涯〈上〉 (幻冬舎文庫)

どんなに忙しくても、寸暇を惜しんで読書とは習い性なのか?
現在、田中角栄元首相の生涯を書いた津本陽氏の傑作を一気に上下2分冊を読み終え、現在二周目に突入。
熟読玩味、味わえば味わうほど田中角栄氏が政治家としてだけではなく、如何に魅力的な人間だったかがよく分かる。

功罪、毀誉褒貶、誤解・曲解、水清きに魚住まず。さまざまな評価があることもよく分かる。
しかし、田中角栄氏の行動力には心底敬服する。大いに見習いたい男の矜持をひしひしと感じる。
津本陽氏、圧倒的筆力が一大叙事詩にさらなる輝きを加えた名著だ。

さて、結婚して家庭を築く気配もなく、クルマもレジャーにも縁が薄い。

親を敬う様子も見せず、仕事も周囲と強調せず、自分の得意なやりたいことだけ夢中になる。


報告は下手、交渉事は苦手、どこから給料が出ているのかわからないような行動、言動。


自分のためだけのエゴ消費以外ひたすら巣篭もり派Y世代。

団塊ジュニアの上から目線、自分以外は全部バカ的尊大な振る舞い、言動に心底辟易としている昨今。


仕事がうまくいかないのはすべて他人のせい、「分からないのは教えてくれないから」だぁ?

「俺は頑張っている」「やりたくない、できない、それではうまくいかない」?

マーケットを見ず、自己流定性評価の嵐。

永遠の自分探し?


周囲の関与、管理を嫌い、起きたい時間に起きて、身なりにも構わず、ろくに仕事もせず、能書きばかり。

スーツも満足に着こなせないOVER40CKY独身男にマーケットを語る資格なし!!

己の市場価値を分かっているのか?とにかく評論家が多すぎる。そういう輩にはもっと汗を掻けと思う。


…って何怒ってるんだろう。短気は損気。

怒るだけ損のような気もするが、そうは言っても、しっかり真剣に叱ってやりたい。灸でもすえてやりたい。それが大人の務めだと思う。

指導方法もよくよく考え、似非草食系問題児(40越えで児童ということがそもそも問題なのだが)には接しなければ、企業も彼らを戦力化できない。管理職の懊悩は続く。実に悩ましい問題だ。


本来他人から必要とされることで人は磨かれ、失敗を恐れず、七転び八起きのなかから徹底的に学ぶ。

親交のある気配り名人、圧倒的行動力、素性のよい人脈を持つマダムの名言がある。

その時の言葉を再現してみよう。


「何か問題に直面するとすぐに難しいとか、無理だといって、延々と言い訳する人がいるでしょ?
出来ない理由ばかり言う人には典型的な特徴があって、
いつも問題を漠然と、悪い意味で抽象的にしか捉えていないと思うの。

自分の目で見る手間やコミュニケーションを省いて、面倒臭がって、
自分の頭で考えていないから、大雑把にしか理解しないし、
現実から問題を解決しようとしない。

よく見ていると、そういう人はけっして自分から動かない。
笑っちゃうくらい自分から積極的に動かないわよ。

誰かが問題を解決してくれるものだといつも甘えている。
その甘えに気づかない。だから無神経に文句ばかり言って、
臆面もなく他人のせいにできるんだと思う。

ホント鈍感よね、あらゆることに。

執務中に昼寝が平気な人もこの典型ね。
昨日の酒が残って、ダルそうにしている人間もアウト。
寝不足や家庭不和を理由にいつもイライラしたり、
自分の手柄でもないことを自慢したり、
よほど自分に自信がないのか?いつも威張っている管理職もダメね。

こんな鈍感な人間がトップだったら会社はつぶれるし、そんな上司を持ったら悲劇だわ。

部下にそういうタイプが増えたら、あっという間に業績は悪くなるんでしょうね。

抽象的なことをモゴモゴ言ったり、
ステレオタイプな意見を金科玉条のごとくまくし立てたり、
当事者意識が薄い無責任な評論しているうちは永遠に問題は解決しないわよ」。

さすが人間観察の名人ならではの名言だと思う。

「一流の人間はいっぱい転んで、泣いて、笑って、現実を自分の目でしっかり見て、汗を掻いているものよ、自分の問題なのに言っていることが他人事じゃ、なにも解決しないわね」。


これには唸った。文字通り慧眼である。

この充実した会話を忘れることなく自戒としていたい。


行動力豊かな人の輪をつくり、優秀なアイディアが生まれる空気を演出し、それを具体化する地道な行動、汗を掻くことが必要になる。思い切り汗を掻き走り続ける献身と情熱の渦を起こさなきゃ、仕事は面白くない。

いざというときに踏ん張れるのは修羅場をくぐった経験、煮え湯を飲まされた回数に比例するものだ。

だからこそ田中角栄氏の魅力が私の心を捉えて離さない。